4 《中学歴史(社会)》なぜ徳川綱吉がターニングポイントなのか

江戸時代創造編
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ここまでの徳川家康から家光までの政策を見てみると、

どう見ても江戸幕府は盤石体制で

つけいる隙もない幕府のように見える。

実際、この基礎があったからこそ

260年も続いたのであろう。

しかしながら、中学校でシステマティックに歴史学習を

するにあたり、どうしても、この人物を

江戸時代のターニングポイントの1つとしてあげざるを得ない。

こんなに重要なことなのに、中学校の教科書では1ページもない。

なので、ここで学習し、歴史をシステマティックにしてください。

それがこの人。

5代将軍徳川綱吉だ。

ここで考えたいのが、

この人の時代背景だ。

綱吉が将軍をする時代って、どんな時代なのか。

これを考えないと、この人の政策の意味がわからない。

さて、徳川家光が生きていたのは1651年までの話。

この人は、生まれが1646年で、

パパである家光保育園のときに死んでいることになる。

将軍でいたのは、お兄ちゃん家綱のあとで、

1680年~1709年であり、

これまでの学習から30年も後の話である。

例をあげると、これくらいの時代である。

この印籠(いんろう)が目に入らぬか!

ここにおわすお方をどなたと心得る!

恐れ多くも、先の副将軍、

水戸光圀公にあらせられるぞ!

本名、徳川光圀(みつくに)ね。

ちょっと前の東京書籍の教科書から、突然中学校デビューを果たし

「大日本史」の編集をしたと、覚えることが1こ増えた。

このドラマ「水戸黄門」が旅行しているときの将軍が徳川綱吉

本題にもどろう。

家康からはじまり、3代将軍徳川家光までの段階で、

おおよそ江戸幕府の基礎はできあがった。

法律が整い、

大名配置もほぼ終わり、

幕府も安定期に入ったようだ。

大きな戦いもなくなり、

武力で支配するだけではなくなった。

その後の時代である。

つまり、課題はこれだ。

今、戦いってないから、武力をきたえるだけじゃ国が治まらない。

次の作戦を立てなければならない。

出した答えの1つがこれ。

学問によって、上に立つ物(天)を成長させるんだ。

上下社会の秩序もしっかり教育できるしな。

少しこの考え方を紹介しましたよね。

儒学だ。

つまり儒学とくに朱子学をみんなでやることによって

絶対世の中は良くなると考えた

ということだ。

で、作戦としては、

いっぱい朱子学を学ぶ寺社を作ったということ。

(いずれこの1つ湯島聖堂が昌平坂学問所となる)google mapより

あと、有名なのが、例の生類憐れみの令である。

(自分の後継ぎがいなかったから、徳をかせぐためにやったのか)

するとどうなっただろうか。新たな問題が生じてしまう。

なんとお金を使いすぎたってことだ。

時代は元禄時代。華やかなこともあっただろう。

ここで側近とたてた作戦がトンデモ作戦だったんだ。

みんな、お金がなくなったらどうすればいい?

先生、幕府なんだから、お金をたくさん作ればいいと思います。

小学生ならこういう意見も出るだろう。

しかし、大の将軍様である徳川綱吉がこれをやってしまったのだ。

作戦は次のやり方。

新たな金すら使っていない。

ここでどういう問題が起きるのか。

くわしくは、3年生の公民の授業で習うのだが、

物の数がかわらないのに、世の中に出回るお金の数だけ倍になるということは、

相対的に、物の価値が上がり、お金の価値が下がるということなのである。

そこで、経済が混乱してしまうことにつながってしまう。

(当時はそんな経済学の概念知らないからなあ)

ここで、なぜ徳川綱吉がターニングポイントの1つだったのか、

まとめてみましょう。

徳川綱吉の政策が、なぜターニングポイント?

政策

①平和な世界になり、学問(儒学・朱子学)が重要な世の中にした。

 学問所となる寺社をたくさん作った

生類憐れみの令を出した。

すると、

お金が足りなくなったので、小判を1.5倍にして、お金を増やした

結果

物価が上昇し、経済が混乱した

幕府はこれから常に財政的に

 やりくりが難しい状態へ

 突入していくこととなった。

元禄文化も、綱吉の時代の文化をさしている

徳川光圀も、年齢は上だが、同時期に活躍している。

覚えておくべき世の中の法則

お金の流通量が増えると、お金の価値が下がり、物価が上昇する。

このことは、今後の歴史学習でも何度か出てくるので、

よく覚えておきましょう。

なお、これまた近年の中学校教科書にデビューした人がいて、

この経済が混乱した状況を直そうとした人のおはなし。

新井白石(あらいはくせき)である。

この人は、将軍様のアドバイザー。

儒学者であるこの人としては、

偽物の小判をつくるなんてけしからん。

だから、天罰で世の中はおかしくなったのだ。

ってことで、小判を84%小判にもどすのである。

理由はどうあれ、

結果として物価は下がった。

(とはいえ、一般ピーポーは、結局あれこれされて混乱している…

でもって、この人の政治を

「正徳の治」

って特別に呼ばれる上、みんな覚えなくてはいけなくなった。