さて、前回、墾田永年私財法と班田収授法の不公平などのせいで、
問題が生じることをお伝えした。
何でだろう?
要は、こういうことになっている。
①公地公民じゃなくなったから、天皇が権力をにぎれなくなるんじゃないか。
②男が戸籍に登録されない
→班田収授法で戸籍を管理するのは不可能だ…
→税が入らないで困っちゃう…
こまるのは何よりも「税が入らない」ことだ…
そこで、苦肉の策を考えたんだ。
よし、もう自分が管理するのは無理だから、
国司に管理させよう。
そして、国司から一定の税をもらっちゃえ。
そのかわり…
あとは好きなことやっていいよ
というわけである。
そうすると、
なんか、中央で枠の少ない教頭先生や
主任の先生めざすぐらいなら、
ずっと担任で好き勝手やった方が楽しくね?
一定の宿題(税)さえ渡してしまえばいいんだから、
もっと宿題たくさん出せばいいじゃんか。
となるでしょ?
こんな時代が平安時代なわけ。
すると、スーパーなジモティーも生まれてくるし、
いわゆる「武士」的な人たちも登場することになる。
あとは、だれにお願いしておけば
ずっと担任でいられるか?
やっぱ藤原さんにお願いしておくと間違いないんじゃね?
というわけで、有力者にどんどん権力が集中していくことになる。
さらに、こんなことも生まれてくる。
せっかく土地を開墾して自分の土地を作っても、
おい、誰にことわって、この土地で
お米つくってんだ、あ?
っていう人も出てくる。
そこで、土地の持ち主はこんな作戦にでる。
え?この土地って、藤原さんの土地って知らないの?
どうなっても知らんからなー。
(実は藤原さんにあげたけど、名義だけ借りて、
土地を耕す権利は保障してもらったよ!ざまあ)
こんなこともあり、藤原さんはいっぱい荘園を得ることとなる。
だがしかし、実際の耕す人は違う人で、
「じゃ、誰の土地?」
っていうややこしい話になってくる。
これをすべてすっきりさせるのが、誰か気づいただろうか。
1590年に天下をとるあの人である。
それまで、土地制度ってのが、ぐちゃぐちゃになっていくのである。
なお、ここで気づいただろうか。
班田収授法がなくなり、「租」しか集めなくなったってことは…
歴史上まれにみる、
国に軍隊が存在しない時代となったのだ。
ああ平安だ