前回の学習で、
イギリスをスタートとして産業革命が起き、
社会が大きく変化したことは学習した。
そして、新たな課題として次のことが生じてきた。
大量に生産できるのはいいのだが、
イギリス国内では
そんな大量にはいらない。
つまり、
どこかで在庫処分しなければならない
ということだ。
誰に売ろうかな…
そこで、イギリス人はこう考えた。
私たち、これまでたくさん紅茶買ってるやん。
だから、かわりにその国に綿布を買ってもらおうよ。
で、そもそも紅茶をどの国から買っているかだ。それは…
「清」だ。
そもそも「清」ってどんな国か、簡単に説明しておこう。
見たとおり、なんか帽子をかぶってる人が多いっしょ?
帽子を脱ぐとどうなるか…
こんなかんじ。
いわゆる「ラー○ンマン」スタイルだ。
こんな髪型ってことは、今の中国に昔から住んでいる
漢民族ではない。
満州出身(現在の中国東北部)の民族だ。
さて、それで、清の皇帝の反応はどうだったか。
やーだね。うちは全くいらないな。
貿易赤字がいやだったら、
お茶を買わなきゃいーじゃん!
うちは別に買ってほしいわけじゃないし。
あと、うちは広州しか貿易してないよ。
とまあ、こんな感じだ。お茶は清からしか買えない…
商売を独占するって、これほど強く出られるわけだ。
そこで、コッソリ打ったのがこれだ。
アヘン、つまり麻薬だ。
もちろん密輸。
イギリスにアヘンはないので、
半植民地のインドに作らせたわけだ。
で、インドに綿布を押し売りする。
これにて三角貿易が完成した。
私なりの優先順位はこんなところ。穴埋めに狙われる。
①インドから清にアヘンが流れた
②イギリス人は清から茶を買っている
③銀を通して貿易してた
④イギリスがインドに工業製品を押しつけた
しかしながら、これを清が黙って許すはずもない。
もう許さん。
密輸アヘンを
処分してしまえ!
となってしまった。これにて
うちらのアヘンを
処分しやがって…
やってしまえー!
と逆ギレしたことで戦争が始まった。これが
1840年アヘン戦争だ。
(天保の改革の1年前)
教科書にはどの船がイギリス船ってあるけど、
もちろん蒸気機関を積んでるヤツ。
前にも伝えたが、
清(中国)は、アジア界では
ジャイ○ン的存在。
本人も負けると思ってなかった。
でも負けた…。
で、これから先、近代戦争では、アジア圏でも
西洋圏のルールにのっとり
仲直り条約(講和条約)が結ばれる。
条約の名前と内容を整理して覚える必要がある。
今回はこれ
南京条約
①5つの港を開港する。
②香港を150年イギリスに貸す。
③清が関税自主権をすてる。
④イギリスの領事裁判権を認める。
⑤賠償金をイギリスに払う。
②は最近重要視されないけど、
なんせ、自分が中学生の時、
香港はまだイギリス領だったからね。
当時社会主義の中国では異色の都市だった。
③④が重要。
③は、かんたんにいうと、
本来自分たちの国の産業を守るため、
輸入品には関税というものをかけることができる。
それが自由にできなくなったってこと。
④は、清の国内でイギリス人が犯罪をおかしても、
イギリス人を裁判するのは、イギリスの領事館の人ってこと。
この2つがゆえんで
不平等条約といわれる。
さて、これにて、最初の問題
「大量生産した商品は、どのようにさばくのか。」
の答えは説明できるかな。簡単にいうと、
①武力を使って、
②アジア諸国に
③無理矢理市場を開かせる。
という流れになっていくのだ。
これで
「YOUはどうして日本へ?弐」の答えも説明できるとすばらしい。
これは次章でシステマティックまとめをしようと思います。
その後の影響もふくめて、
今回のまとめをしましょう。
大量生産した商品は、どのようにさばくのか
○今回のイギリスの作戦
①インドで作らせたアヘンを清に密輸する
②インドに綿布を売りつける
③1840年、逆ギレして清に戦争(アヘン戦争)をしかける
④南京条約を結んで、開港させた上、
関税自主権も取り上げる。
(もちろん領事裁判権も認めさせた)
○結果と影響
①ヨーロッパ諸国が武力を使ってアジアへ市場を開拓する動きが活発になる。
そのたの影響
②戦争で負けて賠償金を払うため、清は税をふやした。
それに庶民が反発し、太平天国の乱(リーダー:洪秀全)がおきた。
③インドでイギリスに対して反乱が起きた(インド大反乱1857年)
結局しずめられて、かえって植民地化がすすんでしまった。
わたしたち、清が
世界の中心だと
思ってたんだが…
なんだと!
アジアの絶対的エースが
こんなことになろうとは…