2 《中学歴史(社会)》各国は、世界恐慌をどのように克服しようとしたのか

昭和時代(1)第二次世界大戦の予兆編
スポンサーリンク

前回、静寂の日々に突如訪れた

暗黒の木曜日

1929年10月24日

できごとだった。

ニューヨークで株価が大暴落。

それをトリガーとして、

多くの企業や銀行が倒産、

仕事がなくなったプータローさんが

街にあふれ出したのだった。

これが世界中に波及し、

世界恐慌とよばれる

未曾有の事態を招いたのだ。

で、今回の学習が、

各国は、世界恐慌をどのように克服しようとしたのか

その課題を追求するにあたって

まず知らないといけないのは、

「そもそも恐慌(とんでもない不景気)とは、どんな状況のことなのか」

ということである。

簡単にいうと、

めちゃくちゃものが売れない

という状況だ。

もっとくわしくいうと…

いち
いち

ものが売れないので、

物価も下がるし、

もうからない。

に

会社がもうからないので、

お給料が少ない

さん
さん

いいじゃないか、

オレなんて

プータローで

収入すらない

よん
よん

給料少ない(ない)ので

ものが買えないぜ!

ご

買う人の収入が

減ってるので

ものが売れないぞ

っていう

エンドレスループの状態なのである。

これが世に言う

デフレスパイラル

というものである。

くわしくは公民で習ってね。

どこかでこのループを断ち切らなければ

明日はない。そこで

イッツミー<br>さん風
イッツミー
さん風

さあ、みんなで

考えよう!

この状態を打ち破るには、

何をするかな?

これが、当時の各国の課題だったのである。

それまで、資本主義社会になり、

儲かる自由もあれば、

貧乏になってしまう自由もあるのが

当たり前だったのだが、

それでは国が滅びてしまうところまできた

2020年ごろみんなに聞くと、こういう答えがいっぱい返ってきた。

なんだ、じゃあ、

コロナ特別給付金みたいに、

みんなにお金を配れば

いいじゃん。

この発想が、大正解なのである。

みんながものを買えば、

①ものが売れて、企業がもうかり、

②給料が上がり

③またものを買える

のである。

が、中学校の歴史の教科書には

残念ながら登場しない。

………

では、答え発表

パターン1

この人に注目

さん
さん

いいじゃないか、

オレなんて

プータローで

収入すらない

この人が買い物できない理由は、仕事がないからだ。

つまり、こういうことだ。

じゃあ、

国がこれから

ダム工事を

行うから、

仕事してくれ!

国の事業も進み、

失業者が給料をもらえることで、ものが買えるじゃん。

これで経済も回って一石二鳥!

これを実行した人物が

アメリカのルーズベルト大統領だ。

新規(ニュー)に仕事を与える(ディール)ので、

ニューディール(政策)という。

それとともに、

アメリカは外国との貿易も打ち切り。

外国の商品を輸入せず、

自国の商品を国内で消費させたのだ。

………

パターン2

イギリスフランスは、この人に目を向けた。

いち
いち

ものが売れないので、

物価も下がるし、

もうからない。

イギリス、フランスの共通点はなんだろう。

ズバリ、植民地がいっぱいあることだ。

よし、

売れない商品は

植民地で

さばいてやろう

うちらはうちらの経済圏(ブロック)だけでしか、取引しないもんね。他の国とは貿易するもんか!

これを

ブロック経済

とよぶ。

とはいえ、この国々の作戦は、

植民地がたくさんあったり、

自分の国がそもそも植民地何十個分の

国力がある国なのでできたやり方である。

しかも、この国々が、

他国を排除までしてしまう

じゃあ、排除された他国はどうするんだろう

ここで、あの第一次世界大戦後の学習を思い出した人は

すばらしい。

ここからシステマティックにつながっている。

………

パターン3

こうするしかなくなる国も出てくる…

<span class="fz-20px"><strong>ドイツ</strong></span>
ドイツ

お前らがその気なら、

俺たちも

植民地を増やしてやる!

このような国は、

逆ギレするしかなくなるのだ…

そんな外国にヘコヘコしてないで、

ドイツ国民、誇りを持てよ!

ここで現れたのが

ヒトラーである。

この話術に、ドイツ国民は心動かされてしまったのだ。

1933年にナチスの首相になるに至った。

そのまま、

○ベルサイユ条約の破棄

 からの

 再軍備

○ワイマール憲法の停止

 からの

 独裁

となっていったわけである。

時を同じくして

イタリアでもこの男を中心に、

軍備増強を図ったのである。

ファシスト党ムッソリーニである。

2つの国の共通点は…

①独裁により、民主主義が否定されている。

 →全体主義国家

軍備拡張により、経済回復を図る

この2つの条件で国を成り立たせる方針を

ファシスト党のやり方ってことで

ファシズム

とよんでいる。

これにて、あの残念なシステマティック法則

「戦争が起こればもうかる」

により、経済回復が達成されるのである。

………

ここまで3パターンの経済回復の手段を挙げたわけだが、

ひとつ伏線をまいておいたのだが、

おわかりいただけただろうか

<strong><span class="fz-18px">スターリン</span></strong>
スターリン

これって、

資本主義の国

起こったこと

ったよな?

ということ。

計画的に生産活動を行っている

ソ連には、

無縁の話なのだ。

だって、

商品があまったり

足りなかったりしないので、

みんなで経営して

みんなに分配する工場が

つぶれることはない。

これが

社会主義(共産主義)国家であり、

スターリンがやっていた

五か年計画なのである。

では、これまでの4つのことで、

今回の課題をまとめてみましょう。

各国は、世界恐慌をどのように克服しようとしたのか

①アメリカ方式

(ニューディール)

 広大な国土と国力を生かし、公共事業(国営ダム建設等)をおこして、失業者に仕事を与えることで経済を回復。それとともに、他国との貿易カット。

 ルーズベルト大統領も覚えておく。

②イギリスフランス方式

(ブロック経済)

 植民地との経済圏(ポンドブロック・フランブロック)のみで取引を行い、売れ行きを回復。もち、他国との貿易カット。

③ドイツイタリア方式

(ファシズム)

 独裁国家となり、軍備を拡張することで、軍需により経済回復。

 ドイツ・ナチスヒトラー

 イタリア・ファシスト党ムッソリーニ

 も覚えておく

※④ソ連方式

(五か年計画)

 社会主義国家で、計画経済のため、そもそも不景気とかにならない

さて次回の学習はお気づきだろう。

では、

我が日本は、どの方式のような形をとったのか

ということだ。

※追伸

これだけ見ると、

じゃあ、

みんな社会主義に

なったらいいじゃん

と思う人も出てくるでしょう。

でも、結局

最終的には、社会主義国家はなりたたなくなったのである。

極論いうと、こういうことである。

どんな人も、みんな等しく生きていくってことは、

こんな人も出てくるってことでしょ?

なあんだ、

がんばってもがんばらなくても、

みんな食いっぱぐれないんじゃん。

じゃあ、

がんばるのって

アホくさ…

ということもあるということだ。

自国内だけでやってく分にはいいかもしれないが、

国際社会の中、

国際競争に勝ち抜くことができなくなったのだ。