前回の学習で、
せっかく国際連合はできたのだが、
戦勝国である
アメリカ、イギリス、フランスとソ連では、
やはりウマがあわなかったのだ。
それどころか、
第二次世界大戦が終わり、
ソ連による社会主義の波が、
世界を巻き込むのだ…
朝鮮の南北別の国家成立、
で、中国での共産主義国家成立
ドイツの東西分裂
という大きなできごとがあったのだが、
今回の学習は、
日本の劇的な復活を遂げた直接的原因は?
ということである。
なお、今回の劇的な復活という言葉には2つの意味がある。
①経済的な復活
②政治的、世界的な復活
①経済的な復活
さて、コレまでの学習を振り返ってみましょう。
これまでも、経済発展する理由って、
システマティック法則でも出てきたでしょう。
残念な歴史法則だが…
戦争がおきるとモノが売れるの法則である…
さて、ここで問題。
前回学習した中で、
日本に近く、
そして、いつドカンといざこざが爆発してもおかしくないところがあったはずだ。
お気づきだろうか。
それは…朝鮮だ。
ここで金正恩のおじいちゃん、金日成が動いた!
中国共産党も勝ったんだ。
ここでうちも勝負をかける!
朝鮮半島統一だ!
これが
朝鮮戦争(1950年)だ。
これに国連の安保理事会が対応、アメリカ(国連軍)が介入することになる。
ここで、2つのことがおこる。
一つ目がこれ。
戦争にたくさんの物資が必要だ…
近くの日本よ、
物資をたくさん生産してくれ。
たのむよ!
これにて、日本の物資が非常に売れた。
これを、特需景気(東書)朝鮮特需(帝国)とよぶ。
もう一個副産物として、
こんな指示が出たんだ。
沖縄駐留の米軍が
みんな朝鮮に行くんだ。
日本よ、
自分の身は自分で少しは守っていいよ。
これにて、新たな組織ができあがった。
それが現自衛隊だ。
結成当時は、警察予備隊といった。
さらにこの戦争がもう一つの大きな影響を与える。
アメリカ等に、このままいくと、日本にも社会主義の影響があると思わせたことだ。
日本を絶対に社会主義陣営に与えてはならないという気持ちが強くなった。
日本をアジアの社会主義を止める砦と決めたのだ。
そこでアメリカはこう考えた。
今のうちに日本の再独立を認め、
うちらの味方となってもらおう。
こうしたことにより、
予定より早く、日本は再び独立を果たすができたのである。
そして、太平洋戦争終戦、6年を経てようやく平和条約が結ばれたのだ。
それが、
サンフランシスコ平和条約(1951年)だ。
これをなしとげた総理大臣は、必ず覚えておく。
中学校歴史分野では最重要総理大臣だ。
もちろん
角野卓造じゃねえよ!
その名を吉田茂という。これまでにあの人以外で
唯一国葬が行われた総理大臣だ。
ただし、
この流れで気づいただろうか。
平和条約を結んだのは、資本主義陣営の48カ国とだけだ。
中国とは1978年まで結べず、
ロシア(旧ソ連)、北朝鮮に至っては未だに結んでいない。
とはいえ、
これにて様々な意味での
日本の国際社会への復帰が果たされたのであった。
ただ、アメリカとしても、
手放しで日本を独立させるわけにはいかない…
もうちょっとアメリカのメリットを残したい。
そして、これとセットに、アメリカと条約を結んだ。
それが現在のニュースでも話題となることがある
日米安全保障条約(1951年)である。
これにて、
日本をアメリカが防衛するという名目で、
米軍基地を日本に置くことを認めたわけである。
だから、神奈川県横須賀市をはじめ、
いくつもの米軍基地がまだ日本に置く根拠となっている。
………
改めてここで、最初の課題に対する答え。
日本の劇的な復活を遂げた直接的原因は?
というと、一番のできごとが
朝鮮戦争だったと考えられる。
それでは、これに焦点をあてて、
今一度ポイントをおさえておきましょう。
日本の劇的な復活を遂げた直接的原因は?
☆背景
○アメリカ(資本主義陣営)とソ連(社会主義陣営)の縄張り争いである冷戦状態
○東アジアへの社会主義勢力の増長
☆直接的原因
○北朝鮮の韓国侵略からはじまった朝鮮戦争(1950年)
☆結果
①ものがとぶように売れて、急激な経済回復が達成された。
特需景気:朝鮮特需
②米軍の出兵により、警察予備隊(1951年)を経て
自衛隊が結成される。(1954年)
③日本を防共の壁とすべく、独立させ、資本主義陣営の国の一員にする動きがでた。
→サンフランシスコ平和条約(1951年)
+日米安全保障条約(1951年)
なお、
朝鮮戦争は、その後けっきょく中国も介入してきたこともあり、
もとどおり
北緯38度線にて停戦。
今に至るのである…