いよいよ、具体的に、
外国に負けない強い国にするための手段に入っていこう。
強い軍隊を作るためには…
軍を増やさなければならない。
軍に入る人が、残念な人では困る。
軍を強化するにはお金がいる。
そもそもこれまでの軍隊ってどうだったか。
江戸時代100人村の85人物語を思い出してみよう。
世界が100人の村だったら、
武士は7人であり、
実際戦える年齢性別を考えると、
ごく限られた人数でしかなかった。
これでは困る。
武士が戦うのでは困るのだ。
国民全体の中から軍隊に入ってもらう必要がある。
邪魔なのが
身分だ。
これから産業を発展させるためにも、
身分が邪魔だ。
だから、身分をなくしたわけだ。
別に自由で平等な社会をめざしたわけではない。
※なお、解放令を出したのも、
江戸時代に差別されてきた人を助けるためとも思えない。
結局そのせいで、これまで皮産業で生活していた人たちの
仕事が奪われたし…
身分がフリーになったところで、
教育した国民を、兵隊に徴兵することになる。
学制(1872年)
6歳以上のすべての男女を普通教育をする。
※就学率100%近くになるのは、
徴兵令(1873年)
これまでの身分関係なく、
20歳以上の男子に軍役
つまり、
軍人≓元農民(長男以外)
この2点については、これくらいで大丈夫。
問題はマネー対策だ。
江戸時代の幕府の収入は?
もちろんほとんどが百姓からの年貢だった。
検地帳に登録された人が年貢を払うという仕組み。
全員からお金をとるにはどうしたらいいか。
作戦としては、
土地を持ってたら、
税を払え!
という作戦である。
具体的にいうと
①土地の所有者をハッキリさせる。
②土地の価格(地価)を決め、土地の所有者と価格を地券に書く。
③土地の所有者が、
地価の3%を現金で支払う。
(赤字の部分が穴埋め問題になる)
という仕組みに変えたってことだ。
これを地租改正(1873年)という。
※なお、税はほかにも、酒税、うさぎ税など、いろいろある、
しかし、地租は直接地主が国に納めるので、
「直接国税」といわれる。
いずれ、この言葉が大切になるので、チェック!
なんだ、
たったの3%か。
と思うかもしれないが、
これは江戸時代の負担と同じくらいにしたら3%となったそうだ。
じゃ、収入が増えるわけじゃ
ないじゃん。
となる。
大切なのは、年貢と大きな違いのところである。
年貢は、その年の収穫高によって、変わってしまう。
それに対して、
地価は変わらないので、
収入が安定する
ということ。
でも、これだけじゃ、まだ言葉が足りない。
次の資料を見てみましょう。
細かい数字はどうでもいい。
1873年(明治6年)から変わったことがあるでしょ?
地租改正のおかげで、
予算が組めるようになった
ということだ。
それまでは、いきあたりばったりのお金の使い方だった。
それが、
計画的に軍備等にお金をかけられるようになった
ということである。
これにて、強い軍隊を作る素地ができたわけだ。
この学制、徴兵令、地租改正を合わせて
維新の三大改革とよんでいる。
とはいえ、やっぱり急激な改革は、
社会にひずみも生じるのは当然のこと。
この改革で困った人が現れる。
○地租改正に不満を持った人が、
地租改正反対一揆を起こし、
地租が2.5%に引き下げられた。
○徴兵反対一揆が起こった。
これは、まあ
「そうだわなあ」
で終わることだが、
次のことが今後いろんなことに影響を与えるということだ。
それが、
○今まで戦うのは武士の仕事だと誇りを持っていた武士が、
仕事を奪われた上、今まで身分が下と思っていた百姓が
メイン軍隊となって、とても不満が増えた。
そんな武士に慕われていたのが、
やっぱりこの人なのであった。
このため、
いずれこのことが
システマティックにつながっていくので、
覚えておきましょう。
新政府は強い軍隊を作るために何をしたのか
○政策(三大改革)
①学制(1872年)を発布
②徴兵令(1873年)で、軍隊を集める。
メイン部隊が元百姓
③地租改正(1873年)にて、
安定収入を確保。
※なお、これは身分をなくしたことにより実行できるわけだ。
○結果と影響
①安定収入を得たことにより、
計画的に国を強化できるようになった。
②仕事が奪われた武士の不満が高まっていった。
では、
次回は産業発展編ということで!