前回までの学習で、
当時の社会の変化を学習してきた。
当初の
「今回の学習ポイント」でいうと、
「技術力が向上するようになった社会的背景」
について、長らく学習してきたのだ。
次に学習すべきことは、
「技術力はどのように向上したのか」
ということだ。
なぜ技術力が向上したのかというと、
いちはやく自由な経済活動ができる国ができたからだ。
それは…
イギリスだ。
1688年には名誉革命がおき、
いちはやく立憲君主制の国となり、
自由な経済活動をみんなが行うようになった。
日本なんて、まだ徳川綱吉の元禄時代よ…
そこで、自由な経済活動ができるようになり、
何がしたかったのか
ということ。
当時のイギリスは、インドとの貿易がさかんだった。
そのインドにすばらしいものがあったのだ。
お茶もほしいのだが、インドからほしいのはこれ。
インド綿布だ。
これまでのヨーロッパの織物といえば、
貴族がはいてたキラキラタイツから考えると…
毛織物なのだ。
そこにアジアから綿文化が伝わった。
ここでイギリス人は、何を考えるだろう。
こりゃ、自分で綿布を作れれば
大もうけじゃないか!
ということだ。
で、そもそも、綿の糸ってどうやって作るか。
要は、
「わた」の状態からすこしずつ
ネジネジしながら引っ張り出せば良い。
この作業を紡績という。
中学校ではキホン、紡績≒綿糸づくり
と考えても良い。
となると、
いかに要領よくネジネジできるかだ。
そこに、とうとう
スーパーネジネジマシーンの動力が開発される。
それが蒸気機関だ。
お湯を沸かせば、蒸気の力で
ピストンを動かすことにより、
結果クルクル回せることができるのだ。
これを実用化させたのが
ワットさんなのであった。
今でも電子レンジ500W(ワット)とかいうでしょ?
この人の功績から今でも使われてるんだけど、
とうとう教科書からも消えた人となってしまった。
この発明により、工業化が一気に進むこととなる。
これが18世紀(~1800年)のおはなし。
日本ではまだ松平定信ね。
フランスよりも100年先を歩んでいる。
そして、金持ちが工場をつくり、労働者をやとい
大量生産していく社会へと変化していくのであった。
ということは、
自由な経済活動ができるということは、
金持ちになる可能性もあれば、
金を失う自由もあってしまうわけだ。
資本主義経済
金持ち(資本家)が賃金を払って労働者をやとい、
もうけようと生産活動していく経済(社会)
なお、自由な経済活動ができるからこそ、
資本家そして労働者が存在できる。
こうした生産手段、経済活動の変化を
産業革命
とよんでいるのだ。
身分が固定され、決まったことしかできない
江戸時代システムでは絶対不可能だ。
で、明治時代に身分をなくした。
あれって、身分の低い人のためにやったんじゃなく、
身分があったんじゃ、新しい社会体制にできないからなくしただけだ。
なお、
これに対して、
こんな不平等な社会じゃだめだ、
みんな平等に豊かになる経済を作るんだ
という考え方も出てくる。
最近の教科書では、マルクスがピックアップされているので、注意。
社会主義(共産主義)
みんなで工場や農場を経営し、
みんなで生産物を分け合えば、
みんな平等で、食いっぱぐれがない!という経済(社会)
※共産主義…私有財産がなく、国に管理されている。
※社会主義…自由に使えるお小遣いぐらいはある。
くらいのちがい。
共産主義にいきつく通過点に
社会主義の状態があるってくらい
さて、ここで最後の問題がでてくる。
なんで産業が発展したのに問題があるのかというと…
たくさん作れるのはいいが、
イギリス国内だけでは売りさばけないということだ。
誰かに売らないと儲からないわなぁ。
改めて、
産業革命のシステマティックまとめをしておきましょう。
産業革命による変化とは
○産業革命のキホン
①イギリスでおこる
②蒸気機関の発明がカギ
○産業革命による変化
①綿布等を大量生産できるようになる。
ということは、値段も安い!
②イギリスが世界の工場とよばれるほどに
世界の最先端となる。
イギリス最強伝説スタート
③蒸気船がつくられ、
世界への移動が簡単になった。
③資本主義社会が確立する。
○今後の課題
大量生産した製品を、
どこにどうやって売りさばくか
わしだって、
1769年には
水力紡績機を発明したんだぜ!
いいなぁ。1772年の日本に
こんないいものがあったら
もっともっと株仲間を
奨励して税金とれそうだ…