3 《中学歴史(社会)》老中登場・田沼意次の新提案とは

江戸時代問題&改革編
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前回は

様々な政策により、

江戸時代の社会だけでなく、

現在のTVも賑わせた

徳川吉宗の改革(享保の改革)を学習した。

しかしながら、教科書の評価(例)は

『東京書籍』
『東京書籍』

幕府の財政は一時的に立ち直りました

程度とのこと。

つまり、まだまだ改革が必要ということである。

次は、どのアイディアが出されるのだろう。

時は1772年、ある男が老中となる。

徳川吉宗が生きていたのは1745年までなので、

およそ30年後の話である。

現れた老中が、この人である。

静岡県の相良藩主、田沼意次である。

この人のサクセスストーリーすごいようで…。

もとは旗本(1万石以下の直接将軍様に会える家臣)だったが、

将軍に気に入られて石高を増やされ、大名にまでなった。

次はどんな手に出たかが問題である。

実は、前回の中学生が予想した中に

答えが存在する。

さて、それは何だろう。

東京書籍にも、帝国書院にも、

絵は違えど、同じ名前の資料が存在する。

それがヒントだ。

その名前は、

『唐蘭館絵巻』

(長崎歴史文化博物館がもっている)

てことは、ポイントの1つは長崎だ。

つまり、商売にかかわる政策をしたということだ。

唐蘭館絵巻からわかることは、

貿易に力を注いだということ。

じゃ、「何を売るか」ということだ。

大きくは2つ。

ひとつめはこれ。

米俵に見えるが、中身は米ではない。中身はこれ。

「海産物詰め合わせセット」

通称「俵物」である。

どこでとれるかっていうと、蝦夷地である。

だからこそ、蝦夷地の開発も行っていく。

もう一つ売ったものが、である。

そのため、金銀だけでなく、

銅も幕府の専売となる。

(改めて金、銀の産地をあとでまとめます。)

田沼意次の成果として、もう一つ大きなものとして、

次のことがあげられる。

百姓以外から収入を得られればいいということだ。

今までキホン収入は、

百姓からの年貢だ。

じゃ、百姓以外とは…。

つまりターゲットはこの人たち。

そんな殺生な…

とつぜん金を納めろといわれましても

そりゃないですぜ。

町人だ。

でも、いきなり税をとると、暴動が起きる。

そこで、こんな手段にでた。

田沼意次
田沼意次

どうだい、わしが株仲間って

組織をどんどん作るように

認めてやろう

そして、商売を独占し、

値段をつり上げたら、

ボロもうけじゃないか?

(株仲間自体は前からあったのだが、どんどん作るようにしたということ)

あと、教科書には、

・印旛沼(千葉県)を干拓しようとした

(あのカミツキガメ大量発生で有名なところね)

丁銀
大きさは
マチマチ

・南鐐二朱銀って銀貨をつくった(帝国書院)

※それまで、銀ってテキトーな大きさでしかなかったので、

銀貨にしてしまった。

ということが載っている。

さて、結果発表!

作戦は良かったんだが…

副作用がおきるわけだ

なんせ、商人にあんなことさせてるんだからなぁ

やっぱりこうなる…

こうして役人に「わいろ」をわたして、

自分の都合のいいように

とりはからってもらう商人と、

政治を乱す役人が増えたということである。

また、田沼意次は運もなかった…

1782年から、米の大不況

いわゆる天明の飢饉(ききん)

発生してしまう…

さらに、こんなことも起きてしまう…

浅間山(群馬県)の大噴火だ。

徳川家斉
徳川家斉

天が光を照らせば、地は実る。

天から地(灰)がふってくるとは

おまえが悪いんだ。な、意次!

ということで、

とうとう老中をクビになってしまった

で、これまでにも増して、

解決すべき問題が生じた。

問題点

①お金がない

新規追加

飢饉のせいで、農村が荒れ果てた

わいろ政治のせいで、世の中が乱れた

この3点について、次の老中はどう対応するのかが

問題となってくる。

悪いイメージが多い田沼意次だが、

百姓中心世界の中、

町人に視点を当て、

改革を行っていったという

田沼意次の着眼点は、非常に目を見張るものがあり、

近年再評価されている。

少し生まれてくる時代が早かったのかもしれない。

改めて、功績と結果、問題点をまとめましょう。

田沼意次の功罪

(「享保の改革」のような名前はない)

長崎貿易を奨励した。

 ↑銅の専売化

 ↑蝦夷地の開発を行う。俵物を輸出。

株仲間を作ることを奨励して

 町人から税をとった。

③印旛沼を干拓しようとした。

 (できてはいない)

④銀貨をつくって、商売をしやすいようにした。

BUT…

わいろが横行した。

天明の飢饉がおきてしまった。

 →百姓一揆多発ゾーン突入

  →仕方なく、百姓が町に出稼ぎにいく。

浅間山が噴火してしまった。

 →飢饉が長期化

結果

農村が乱れた

政治が乱れた

③もちろん財政難も続く…

次回は、この問題を解決しようとする老中の登場である。

※鉱山のおさらい(google mapより)

金山…佐渡金山(新潟県)

銀山…生野銀山(兵庫県)

   石見銀山(島根県)

銅山…別子銅山愛媛県、足尾銅山(栃木県)

ここに表示される遺跡は、

山を横からほじくって採掘している。

これに対して、

地理の教科書では、

オーストラリアなど、

山を真上からくずして採掘しているので

「露天掘り」

わざわざ区別している。

生まれてくるのが少し早かったようだ

時代が私についてきていない

それもまた運命